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宮沢賢治 短篇アンソロジー 岡田基生 編「イーハトーヴ ―― 未完のプロジェクト」
¥1,980
宮沢賢治 短篇アンソロジー 岡田基生 編 イーハトーヴ ―― 未完のプロジェクト 代官山 蔦屋書店人文コンシェルジュ岡田さんによる宮沢賢治セレクション『イーハトーヴ ―― 未完のプロジェクト』(204頁・★25.5個) 【収録作品】 「竜と詩人」 「イギリス海岸」 「イーハトーボ農学校の春」 「農民芸術概論綱要」 「ポラーノの広場(上)」 「ポラーノの広場(中)」 「ポラーノの広場(下)」
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「東洋城百句(片上長閑・撰)」松根東洋城
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「東洋城百句(片上長閑・撰)」松根東洋城 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 俳人・松根東洋城。彼は人生修業としての俳諧を掲げ、芭蕉を尊び、俳誌『澁柿』 を主宰、子規とも虚子とも異なる有季定型の道を歩んだ。その句には、絢爛たる部分と深い闇、栄光と汚辱、快楽と痛苦、ありとあらゆるコントラストが烈しく横溢している。道場とさえ呼ばれる厳格な句会を開くほどにまで、彼を俳句に執せしめたものは一体何であったか。生前は一冊の句集をも残さなかった東洋城の俳句から、百句を撰した。(36頁・★4.5個)
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「山西省 (抄)」宮柊二
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「山西省 (抄)」宮柊二 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 戦後を代表する歌人・宮柊二の第二歌集『山西省』は、日中戦争での自身の従軍体験を記録した戦争文学の名作。宮はその後記にこう記す。「本集の作品は、主として中国北部大陸に、それも津波のやうな山脈の重畳にばかり戦つて来た無名の、それは歌人でもなく思想人でも無かつた一人の補充兵が、例へて言へば丁度、魚が水面に??ふやうにして記した感慨の断片の蒐積に過ぎない。」……だからこそ、いま読まれるべき作品集!(20頁・★2.5個)
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「牛肉とエリンギの炒め物」 水野葵以
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「牛肉とエリンギの炒め物」 水野葵以 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 大好きだったおばあちゃんの死、葬式、そしてそれから……。喪失感と慌ただしい日々を、柔らかな感性と言葉で包むように詠んだ連作短歌。「眠っているだけにも見えたそうじゃないことはみんなの顔でわかった」「感情の到着を待つ泣きたくも泣きたくなくもない炉の前で」生前のおばあちゃんとの思い出を綴った著者初のエッセイ「牛肉とエリンギの炒め物」併録。(28頁・★3.5個)
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「子規百句(片上長閑・撰)」正岡子規
¥330
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「子規百句(片上長閑・撰)」正岡子規 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 子規の名はよく知られているが、その俳句の全容や、幅の広さが語り尽くされたとは言い難い。彼以降の俳人たちの語るところや文学史により、我々は子規、あるいは子規の句から却って遠ざかっていると言えるのではないか。写生による表現を提唱したと言われがちな、そして現実に写生を作句に活かそうとした子規の句は、実際には非常に豊かな様相を見せてくれる。本書では子規の注目すべき百句を撰し、季順、時系列順に配置した。(40頁・★5個)
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「杯」森鴎外
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「杯」 森鴎外 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 温泉宿から坂の小道を上がったところにある清冽な泉を、ゆかたを着た七人の美しい娘たちが小鳥の囀りのような声を上げながら訪れる。そしてそれぞれの袖からお揃いの銀の杯を取り出し、泉の水を飲んでいる。その後ろから彼女たちよりやや歳上の、洋服を着た西洋人か混血の女の子がきた。彼女も杯を取り出して泉の水を飲もうとするが……日本と西洋の間に横たわる溝と架け橋を象徴し、洋行から戻った作家の静かな決意を感じさせる一篇。(12頁・★1.5個)
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「洋灯はくらいか明るいか」室生犀星
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「洋灯はくらいか明るいか」室生犀星 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 風呂敷の中に書きためた詩と原稿用紙のみを携えて初め東京を訪れた詩人が、東京の玄関・新橋駅で迎えてくれた美術学校に通う三人の同郷の友人に案内されて大都会を歩いた一日を回想するエッセイ。初めて乗る電車。大きな建物と雑踏。一九一二年の東京の風景は詩人を膣目させ、緊張を強いる。〽洋灯はくらいか明るいか…ヴァイオリンの弾き語りでそう歌いながら小冊子を売り歩く芸術家くずれの歌声が全篇にかなしく響く。(12頁・★1.5個)
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「イギリス海岸」宮沢賢治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「イギリス海岸」 宮沢賢治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 賢治が愛してやまなかった〈イギリス海岸〉。そこは北上川の西岸だが、岸辺をなす泥岩層がイギリス・ドーバー海峡の白亜層を思わせることから賢治が名付けたものだった。農学校の教師をしていた賢治は時には生徒を連れ、また時にはひとりでそこを散策した。本エッセイでは野外授業でイギリス海岸を訪れた日々を情感豊かに描く。地層を教え、化石を発見して歓喜する賢治は、まさにリベラルアーツを体現した存在だった。(28頁・★3.5個)
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「生涯の垣根」室生犀星
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「生涯の垣根」室生犀星 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 人生の最晩年を迎えた作家が、最後に行き着くところは庭だった。それも整えられた土と垣根。終の栖を建てたときから庭に関しては信頼して任せていた民さんに、作家は執着するところが大きかった。それは単に気が合う以上の関係だった。ところが民さんの怠け癖のひどさが原因で袂を別ってしまう。何年か経ち風の噂で民さんは田舎に流れてバタ屋をやっていると聞く。また民さんと庭の話がしたい……作家は再び民さんを雇う決心をする。作家と庭師の心温まる交情を描く名篇。(28頁・★3.5個)
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「鬼涙村」牧野信一
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「鬼涙村」牧野信一 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 鬼涙村にやってきた「私」は酒倉の二階で御面師と同居していたが、折しも村の音頭小唄大会を控えお面の製作で大忙しだった。この村には標的に決めた者をお面を被った集団が担ぎ上げ、胴上げをしながら村堺の川に投げ込むという奇習(リンチ)があった。どうやら今度は自分が狙われているらしいと気付いた私は、お面を配りに行った先の酒席でさまざまな噂を聞くが……残酷な村の様相と村人の滑稽さを活写する異色作。(36頁・★4.5個)
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「いちょうの実」 宮沢賢治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「いちょうの実」 宮沢賢治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 冷たくてカチカチに灼きをかけた鋼のような空に星が輝く夜、東の空はもう優しい桔梗の花びらのようにあやしい底光りをはじめている。いっせいに目をさましたいちょうの実たちの話し声がそこかしこから聞こえてくる。彼らにとって今日は旅立ちの日。お母さんの銀杏の木から初めて離れて、散り散りになる日。新しい世界への期待と不安に満ちた彼らのうえに突然光の束が黄金の矢のように降り注ぐ。美しいイメージに彩られた旅立ちのうた。(12頁・★1.5個)
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「やまなし」宮沢賢治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「やまなし」 宮沢賢治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 紀伊國屋書店新宿店 梅崎実奈・選 紹介作品 『クラムボンはわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』──二疋の蟹のきょうだいとその父親の独特のリズムの会話、地の文のやわらかく象徴性に富む詩的な叙述で、幻想的な光景のなかに、光と闇、生と死、恐怖と歓喜など対照的なイメージを配置。詩歌の音調と童話の親しみやすさの底に深い思索を込めつつ、最後は「やまなし」の酒の芳香までただよってきそうなエンディング。宮沢賢治の豊饒な世界を代表する一篇。(12頁・★1.5個)
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「ラ氏の笛」松永延造
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「ラ氏の笛」 松永延造 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 荒川洋治・選《初めての世界》紹介作品 ポケットアンソロジースターターキット 荒川洋治・選『初めての世界』収録作品 横浜の病院で臨時雇いとして働く主人公は、ラオチャンドというインド人の青年と出会う。だが、彼はやがて肺結核を患い入院してしまう。彼の世話をしながら、異国人の言葉と人生にひどく惹かれてく主人公。竹笛を巧みに吹くラ氏は、虚無とも平安ともつかぬ独特な人生観を主人公に語る。「どんな場合でも幸福は不幸を持ってあがなってきた」ーー異国人との心の交流と人種を超えて通底する人間の内奥を清明な言葉とイメージで描く。(24頁・★3個)
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「普請中」森鴎外
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「普請中」森鴎外 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 木挽町は歌舞伎座近くにある精養軒ホテルはただいま普請中。このホテルで渡辺参事官はあるドイツ人の女性と待ち合わせている。昔なじみの褐色の大きな目には、かつてはなかった濃い紫の暈がある。ウラジオストックのホテルの舞台で歌っていた彼女は、伴奏者のコジンスキイとともにアメリカに渡る途中日本に立ち寄った。普請中の日本では芸術を理解する余裕などない。渡辺参事官は諦めにも似た気持で女に対する思いも断ち切った。(16頁・★2個)
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「悔」水野仙子
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「悔」 水野仙子 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 書肆 海と夕焼 柳沼雄太・選 紹介作品 郡立病院で看護婦長を務めるもとめは、夫に若くして先立たれるも、ひとりで子どもふたりを育て上げた。雨が降り続いたある夜、子どもの成長を顧みると同時に、心に抱えていた「悔」を思い返す。彼女が若い時分、ひとりの若い医者の甘い毒気に盲いた。自らの過ちを悔いるよりも、子どもの行く先を考えたとされることに、さらに自責の念は募る。彼女の「悔」は、自身の仮面に報いるのだろうか。過去に揺れる、ある女性の内省の文学。(12頁・★1.5個)
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「身上話」森鴎外
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「身上話」森鴎外 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 千葉の大原海岸にある料理屋を兼ねた宿屋に逗留する学徒圭一は、どことなく色香の漂う宿の女中、花にしばしば手紙の代筆を頼まれていました。その花から手紙の宛先の旦那、辻村との因縁を聞き出しますが……会話体のなかに時代の様相や男女の機微を鮮やかに描きとめた名篇。大江健三郎との対談集『文学の淵を渡る』(新潮社)のなかで、古井由吉は「いわゆる日本の短篇のはじまり。日本の短篇の語り口がすでにここにある」と評しました。(20頁・★2.5個)