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作品リフィルセット「徳田秋声 短篇アンソロジー 余震の一夜・和解 他六篇」
¥2,200
【徳田秋声 短篇アンソロジー】 大木志門・篇 余震の一夜・和解 他六篇 収録作品 「私」 「痛み」 「感傷的の事」 「余震の一夜」 「風呂桶」 「和解」 「勲章」 「喰われた芸術」
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「町の踊り場」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「町の踊り場」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 1933年3月「経済往来」掲載。前年8月に金沢にいる姉が死去し、その葬儀のために帰省した体験を描いたものです。本作が川端康成や室生犀星に高く評価されたことで、秋聲晩年の復活へと繋がりました。姉の家を抜けだして鮎の魚田を求めたり、裏町のダンスホールに立ち寄ったりする奔放な語り手の行動から、満洲事変後の戦争に向かってゆく時代の世相や、古い文化と新しい文化が交錯する金沢の街が鮮やかに浮かび上がる秋聲珠玉の短篇。(24頁・★3個)
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「私(わたくし)」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「私(わたくし)」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 日露戦争下のある晩、日本軍が遼陽を攻め落としたことを告げる号外が街を駆け抜けた。「お国の勝利」の喜びは人々を賑やかに満たしていく。ただ一人、私だけを残し……。戦勝に沸く華やかな国民の姿と、その裏に確かに存在した無数の犠牲者の姿が、名もなき「私」の眼を通して密やかに浮かび上がる。飾らない現実を切り取ることで人生が鮮やかに活写される、秋声文学の魅力を今に伝える掌篇。(8頁・★1個)
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「痛み」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「痛み」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 職業婦人である松枝は、派手好きで情の薄い最初の結婚相手と別れ、二度目の夫と新生活を送っている。しかし再婚した夫は嫉妬深く、執着心が強いうえに精神も非常に不安定で、松枝はたびたび酷い暴力をふるわれていた。理不尽な暴力から逃れるために練った計画により、夫の態度は改善へと向かうが、おとなしくなった夫に松枝は次第に物足りなさを感じはじめる……。倒錯的でいびつな夫婦の関係性を描いた秋声異色の短篇。(20頁・★2.5個)
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「感傷的の事」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「感傷的の事」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 家郷から離れて暮らしていた「私」は、十年振りに母の元を訪れる決心をする。それほどまでに時が空いてしまったのに大した理由はなく、ただ母の甘さへの反感が足を遠ざけさせていたのであった。郷里への汽車に乗った「私」は、その道すがら過去を振り返り、いかに自分が母を顧みて来なかったかに気付いてゆき、そして母と再会を果たすが……。感情の疎隔と時の流れの残酷さ、過去への悔恨が痛みのように刻み付けられた自伝的一篇。(24頁・★3個)
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「余震の一夜」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「余震の一夜」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 関東を襲った未曾有の地震の際に「私」は家族のそばにいなかったことを妻に恨めしく思われていた。ある夜、強い余震を感じて戸外へ出ると、いまにも倒れそうな不安定なわが家が目に入る。しかし家を離れる決断もできず、安住を得られない一家の頭をよぎるのは、災害を生き延びた老婆たちのたくましい姿であった。作者自身の体験を元にして、過ぎ去ってもなお人心を揺るがし続ける関東大震災直後の一夜を切り取った短篇。(24頁・★3個)
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「風呂桶」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「風呂桶」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 年老いてゆく自身を憂い、四季折々の自然や成長めざましい子どもたちにさえ、自身の残り少ない寿命を連想してしまう津島。古くなった風呂桶を買い換えるに際して、何でもないことから生じた妻との喧嘩の中で、不意に芽生えた暴力性に亡き父親の面影を見る。人生の下り坂にさしかかった一人の男が直面するある日の出来事を通して、いずれ誰にでも訪れる「老い」という問題が恬淡と描かれた秋声「心境小説」の代表的短篇。(12頁・★1.5個)
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「和解」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「和解」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) O—先生を崇拝していたK—と、尊敬しながらも対等に接し続けた「私」。先生の死後、二人は価値観の相違から決別してしまう。それから三十年、K—の弟が「私」のアパートを訪れたことから二人の運命は再び交差し始める。最初は顔を合わせることさえ躊躇していた「私」だったが、やがて共に先生の話をするまでにK—との関係が修繕していく。果たして二人は和解することが出来たのか。兄弟子である泉鏡花との確執を経て書かれた秋声の名作短篇。(36頁・★4.5個)
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「勲章」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「勲章」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 分相応な結婚を望んで惣一に嫁いだかな子だったが、幸福なはずの新生活は想像とは全く違っていた。吝嗇な義父に迫られたことで同居に耐えられなくなった彼女は、独立して夫婦二人で暮らすことを決めるも、博打に明け暮れる夫に毎日の苦労は絶えず、周囲からは離婚をすすめられるが……。戦時下の東京を舞台に庶民の夫婦のなし崩しの生を描いた秋声後期の好短篇。(28頁・★3.5個)
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「喰われた芸術」徳田秋声
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「喰われた芸術」徳田秋声 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「六月の或日、ふと思い立って、彼は久しぶりでK—先生の未亡人を郊外のその家に訪ねて見た。」——尾崎紅葉没後、秋声が困窮する紅葉遺族を見かねて菊池寛と共に中央公論社から『尾崎紅葉全集』を出版した経緯を描いた生涯最後の短篇。同門たちとの別れやその遺族との交流を残された者の視点で描き出し、紅葉門の兄弟子である泉鏡花との「K—先生の芸術」をかけた因縁話とも読める。(28頁・★3.5個)
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太宰治の女たち 木村綾子 撰 【ポケットアンソロジー 作品リフィルセット】
¥3,300
季刊 アンソロジスト 2022 夏季号《木村綾子・選 太宰治の短篇》より 作品リフィル12篇と選者木村綾子さんの解説を収録 【収録作品】 女生徒(上・下) 燈籠 皮膚と心 きりぎりす 千代女 恥 十二月八日 待つ ヴィヨンの妻(上・下) おさん
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「東京八景」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「東京八景」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 東京で暮らしはじめて十年。自殺未遂、ヒロポン中毒、それから妻の不貞……激動の歳月を経ていま、作家にはようやくその年月を振り返る余裕が生まれた。ペンとインク、原稿用紙を抱えて訪れた伊豆の南の温泉宿で、作家は東京市の大地図を広げる。それはいつか書いてみたいと思っていた小説にとりかかるためだった。その小説とは、「東京八景」。戸塚、本郷、神田、八丁堀、芝、荻窪、武蔵野……地誌に生活史をからめて描いた名篇。(44頁・★5.5個)」
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「美男子と煙草」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「美男子と煙草」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 〝古いもの〟とたたかってきたつもりの文士だが、その〝古いもの〟たちからのいわれなき誹謗に口惜しさのあまり嗚咽する日々だった。そんな折、ある雑誌社から取材の依頼が。上野の地下道に浮浪者を見に行こうというのだ。捨て鉢の気分で向かった現地で出会った四人の少年はみな煙草を吸っていた。文士は彼らに焼鳥をおごるのだが……自己憐憫と道化の入り交じった自意識を、最下層の存在に重ね合わせてシニカルに描く。(16頁・★2個)
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「フォスフォレッスセンス」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「フォスフォレッスセンス」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) この世の現実は夢の連続であり、眠りの中の夢はそのまま現実でもあると考えている「私」は、夢の中にだけ存在する妻をもっている。ある日、締切りに間に合わない原稿を口述でとろうという編集者と、一升瓶を抱えて愛人宅を訪れるが、留守中に上った愛人の部屋で見た写真と花に、夢の中の妻のことばの意味を知るのだった。その花の名は、フォスフォレッセンス……これ自体が口述筆記で書かれたという虚実皮膜に満ちた一篇。(16頁・★2個)
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「貨幣」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「貨幣」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「私は、七七八五一号の百円紙幣です。あなたの財布の中の百円紙幣をちょっと調べてみて下さいまし。あるいは私はその中に、はいっているかも知れません」 大工さんの手から質屋へ、そして顕微鏡を質草に入れた医学生に連れられて旅に出た百円紙幣は、六年ぶりに東京に戻った……貨幣が女性名詞であることから、百円紙幣の女がたりをもちいて、敗戦色濃くなった日本の庶民の実態、軍人のえげつなさなどを活写した異色短篇。 (16頁・★2個)
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「葉」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「葉」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。(b中略)これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った」有名な書き出しで短編集『晩年』の冒頭に置かれた初期の作品。祖母への愛着と隠された性の蠢きを描いた「哀蚊」という十九歳で書いた短篇の話、非合法運動に身を投じた経験の一端を垣間見せるフィクションなど、短篇小説の断片、エッセイ、創作メモ、アフォリズムなどを繋ぎ合わせた太宰文学のエッセンス!(28頁・★3.5個)
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「逆行」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「逆行」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「老人ではなかった。二十五歳を越しただけであった。けれどもやはり老人であった」自殺と心中の未遂を重ね、思想犯として投獄もされた激動の青春を経た自画像を描いた「蝶蝶」。落第が決まっているのに試験を受けに行く「甲斐ない行為」を描きつつ、母校・東京大学の校内を活写した「盗賊」。高等学校時代の放蕩を描いた「決闘」。田舎町を訪れたサーカス団のなか、檻に入れられたエトランゼに性の目覚めを覚えた少年を描く「くろんぼ」の四つの掌編を収める。(28頁・★3.5個)
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「ダス・ゲマイネ(上) 」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「ダス・ゲマイネ(上) 」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 大学で仏文を学ぶ「私」は授業を抜け出して通う小さな甘酒屋で馬場という奇妙奇天烈な風体の男と知り合う。音楽大学に八年もいるという馬場は三鷹の地主の倅で、会うたびに異なった装いで現れ、その潤沢な財布で私を随所の遊びに連れ回した。至る所で虚実皮膜の大風呂敷を広げる馬場は、私を誘って「盗賊」という雑誌をつくろうと企てるが……登場人物に作者の「自己」をさまざま投影させ、終いには作中に「太宰治」まで登場させる遊び心あふれる異色作。(20頁・★2.5個)
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「ダス・ゲマイネ(下) 」太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「ダス・ゲマイネ(下) 」太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 大学で仏文を学ぶ「私」は授業を抜け出して通う小さな甘酒屋で馬場という奇妙奇天烈な風体の男と知り合う。音楽大学に八年もいるという馬場は三鷹の地主の倅で、会うたびに異なった装いで現れ、その潤沢な財布で私を随所の遊びに連れ回した。至る所で虚実皮膜の大風呂敷を広げる馬場は、私を誘って「盗賊」という雑誌をつくろうと企てるが……登場人物に作者の「自己」をさまざま投影させ、終いには作中に「太宰治」まで登場させる遊び心あふれる異色作。(32頁・★4個)
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「ヴィヨンの妻(下)」 太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「ヴィヨンの妻(下)」 太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 四国の華族の勘当息子でもある詩人の大谷は、小金井のボロ家に妻と四つになる息子と住んでいるが、妻子を顧みず放蕩を繰り返している。年の瀬も迫ったある深夜、泥酔して戻った大谷を追いかけ中野の飲み屋の夫婦が店の金を盗まれたと乗り込んできた。刃物を持ち出して巧みに逃げる夫をよそに、何とかすると場をとりもった妻は、翌日、策もなく中野の飲み屋に行き働くようになるが……デカダンスの極みを描いた傑作。(28頁・★3.5個)
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「ヴィヨンの妻(上)」 太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「ヴィヨンの妻(上)」 太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 四国の華族の勘当息子でもある詩人の大谷は、小金井のボロ家に妻と四つになる息子と住んでいるが、妻子を顧みず放蕩を繰り返している。年の瀬も迫ったある深夜、泥酔して戻った大谷を追いかけ中野の飲み屋の夫婦が店の金を盗まれたと乗り込んできた。刃物を持ち出して巧みに逃げる夫をよそに、何とかすると場をとりもった妻は、翌日、策もなく中野の飲み屋に行き働くようになるが……デカダンスの極みを描いた傑作。(28頁・★3.5個)
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「待つ」 太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「待つ」 太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「雀線のその小さい駅に、私は毎日、人をお迎えにまいります。誰とも、わからぬ人を迎えに」……本来は人がきらいで誰にも会わずに家で母親と二人きりで黙って縫物をしていたい質だった「私」だが、大戦争(太平洋戦争)が始まってから、何だか不安になり、今までの生活にすっかり自信を失ってしまった。かといってどこに行くあてもなく、毎日駅に座っている私は、誰を、何を待っているのか? 短い紙幅に戦時下の日本人の実相を込め、掲載拒否にあった掌編。(8頁・★1個)
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「十二月八日」 太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「十二月八日」 太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 太平洋戦争が始まった日——この日のことを百年後の紀元二千七百年後にまで正確に残そうと決意して作家の妻が一人称で語る。ラジオから開戦のニュースを耳にして「人間が変わってしまった」私。米国人に向けられた異常な敵愾心と昂揚感に包まれた妻をよそに、作家である夫はへんにトンチンカンな愛国心を披瀝する。そのズレをユーモラスに描き、言論統制下にあって開戦の日の庶民の日常の活写に作家の最大限の企みを込めた戦争文学。(20頁・★2.5個)
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「恥」 太宰治
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「恥」 太宰治 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「ひどい恥をかきました。顔から火が出る、などの形容はなまぬるい。草原をころげ廻って、わあっと叫びたい、と言っても未だ足りない」……小説に描かれた人物と作者本人を完全に同一視して、手紙を送っただけでなく、家にまで訪ねていった二十三歳の女性。その経緯を友だちに告白する語り口を借りて、作家と読者の関係、また登場人物とモデルの関係をあぶり出して、その裏に作家としての自らを韜晦する、たくらみに満ちた短篇。(20頁・★2.5個)