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「戯作三昧(上)」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「戯作三昧(上)」 芥川 龍之介 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 『南総里見八犬伝』執筆中の馬琴は、創作につかれをおぼえると、世評にいらだったり、芸術と道徳の矛盾を感じたり、自己の能力にも不安を感じることしばしあった。が、いったん戯作三昧の境地に入ると、もろもろの疑惑を一掃して「新しい鉱石のように、美しく作者の前に、輝いている」人生と直面し得た。その馬琴のある日の生活を借りて、芥川自身の芸術観、すなわち道徳観をも止揚する芸術至上主義の境地を説く。(24頁・★3個)
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「戯作三昧(下)」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「戯作三昧(下)」 芥川 龍之介 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 『南総里見八犬伝』執筆中の馬琴は、創作につかれをおぼえると、世評にいらだったり、芸術と道徳の矛盾を感じたり、自己の能力にも不安を感じることしばしあった。が、いったん戯作三昧の境地に入ると、もろもろの疑惑を一掃して「新しい鉱石のように、美しく作者の前に、輝いている」人生と直面し得た。その馬琴のある日の生活を借りて、芥川自身の芸術観、すなわち道徳観をも止揚する芸術至上主義の境地を説く。(32頁・★4個)
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「普請中」森鴎外
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「普請中」森鴎外 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 木挽町は歌舞伎座近くにある精養軒ホテルはただいま普請中。このホテルで渡辺参事官はあるドイツ人の女性と待ち合わせている。昔なじみの褐色の大きな目には、かつてはなかった濃い紫の暈がある。ウラジオストックのホテルの舞台で歌っていた彼女は、伴奏者のコジンスキイとともにアメリカに渡る途中日本に立ち寄った。普請中の日本では芸術を理解する余裕などない。渡辺参事官は諦めにも似た気持で女に対する思いも断ち切った。(16頁・★2個)
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「悔」水野仙子
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「悔」 水野仙子 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 書肆 海と夕焼 柳沼雄太・選 紹介作品 郡立病院で看護婦長を務めるもとめは、夫に若くして先立たれるも、ひとりで子どもふたりを育て上げた。雨が降り続いたある夜、子どもの成長を顧みると同時に、心に抱えていた「悔」を思い返す。彼女が若い時分、ひとりの若い医者の甘い毒気に盲いた。自らの過ちを悔いるよりも、子どもの行く先を考えたとされることに、さらに自責の念は募る。彼女の「悔」は、自身の仮面に報いるのだろうか。過去に揺れる、ある女性の内省の文学。(12頁・★1.5個)
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「蝦蟇」豊島与志雄
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「蝦蟇」 豊島与志雄 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 書肆 海と夕焼 柳沼雄太・選 紹介作品 五月頃から家の縁先に一匹の蝦蟇が出た。悠然と佇む大きな力に満ちている蝦蟇を、私と妻は時間を忘れて見つめていた。ある晩、蝦蟇を盥の中に入れて上から石を乗せて置いたが、翌朝蝦蟇は盥の中にいなかった。それきり蝦蟇は私の家の縁先に姿を見せなくなった——。それでも私はそれで良いと思う。ふと、死というものを考えるが、すべてがよく調和していると思う。生きた痕跡がなくなることが死と言えるのか。生死の観念を問い続ける掌編。(8頁・★1個)
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「美しき死の岸に」原民喜
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「美しき死の岸に」 原民喜 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 書肆 海と夕焼 柳沼雄太・選 紹介作品 長い間病床生活を続ける妻は、澄みきった世界で呼吸をしているようだ。夫である彼が勤めのために一歩外へ出ると、そこは混濁した虚妄の世界のように思える。澄みきった世界で療養を続ける妻には、死の影が迫り来るとは思えなかった。それでも病態が悪化し大学病院へ入院する妻に、冷え冷えしたものが近づいてくる。苦しむ妻に「死」が訪れたとしても、苦しみの彼方の美しい死、最も美しいものの訪れを、彼は願うばかりであった。(24頁・★3個)
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「蜜柑」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「蜜柑」 芥川 龍之介 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 ある曇った冬の日暮れ、横須賀発上り二等客車に乗った「私」の前の席に、いかにも田舎者らしい不潔な服装の十三、四の小娘が座った。霜焼けの手には三等車の切符が。しかも小娘は、ただでさえ不快な私の気持ちを逆撫でするように、隧道に入ろうとする汽車の窓を開けようとしているのだ。怒りさえ込み上げてきた私だったが、隧道から出た汽車の窓の下の光景に、思わず息を呑んだ……倦怠から一転、新鮮な温かみに満たされる逸品。(12頁・★1.5個)
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「おぎん」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「おぎん」芥川 龍之介 本体価格:300円 [JANコード] 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 元和か寛永か、とにかく遠い昔のこと、長崎は浦上におぎんという童女が住んでいた。大阪から流れてきた仏教徒の両親は亡くなり、孫七とおすみというキリシタン夫婦に信心篤く育てられたおぎんだが、ある年のクリスマスの夜に一家三人が囚われてしまう。あらゆる責苦にも決心が動かなかった三人だが、ただひとり、おぎんのみは土壇場で「おん教を捨てて」しまう。果たしておぎんの内心の真実は? 芥川龍之介「キリシタンもの」の最高峰。(16頁・★2個)
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「玄鶴山房」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「玄鶴山房」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 画家堀越玄鶴は、肺結核を患い離れで臥せっている。妻のお鳥も「腰抜け」で寝たきり。ふたりの面倒を見る娘のお鈴と婿の重吉だが、そこに元の妾、お芳が子連れで看病にやってきたことで、この家の空気が変わる。息子同士の諍いに心穏やかならぬお鈴、また看護婦甲野は他人の苦痛を享楽するという病的な性向を持ち、冷ややかな目で一家を見ている。誰もが浅ましく侘びしいという人間の暗澹たる現実を直視した短篇小説。(32頁・★4個)
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「疑惑」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「疑惑」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 明治二十四年、濃尾大地震の惨禍に見舞われた岐阜・大垣でのこと。地元で教師に就いていた男が、梁の下敷きになって身動きがとれなくなった妻を、このままでは苦しんで死ぬと、傍らの瓦で頭を打ち砕き殺してしまう。ところが男は地震からだいぶたってもそのことを口にできないでいる。実は身体的な問題があった妻を不満に思っていた自分には、潜在的な殺意があったのではないかと、男は悩む……人間の心の奥底を鋭く抉る短篇小説。(28頁・★3.5個)
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「竜」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「竜」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 吉村萬壱・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 恵印という異形の鼻を持つ法師の話。ふだんより鼻のことで自分を笑う人々を笑い返そうと、猿沢池のほとりに「三月三日この池より竜昇らんずるあり」と嘘の立札を建てた恵印。流言飛語、噂は噂を呼び、都のみならず周辺の国まで巻き込むさまを見て、最初は痛快に思っていた恵印もだんだん恐ろしくなり。さて当日、人の波に溢れる池の周り、皆ことの成り行きを固唾を飲んで見ていたが……現代のフェイクニュースにも通ずる作品。(24頁・★3個)
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「或阿呆の一生」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「或阿呆の一生」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 「人生は一行のボオドレエルにも若かない。」という有名な文句を冒頭近くに刻んだ作品。芥川自殺後に見つかった遺作で、発表の可否、方法までも、友人の久米正雄に託した形になっている。五十一の短い断章からなるこの文章は、自伝的な要素と末期の眼で世相をとらえつつ、大正から昭和にかけて暗い時代に突入する社会をも予感させ、まさに芥川龍之介という希有な才能を持った作家の〝スワン・ソング〟となっている。(44頁・★5.5個)
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「蜃気楼」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「蜃気楼」芥川龍之介 本体価格:300円 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 芥川龍之介が亡くなる四ヶ月前に発表された作品。当時話題の「蜃気楼」を見に、東京から遊びにきていた大学生のK君と、友人のO君を誘って、鵠沼の海岸に行く。そこで出会った「新時代」を表象するカップル、砂浜で見つけた水葬された死骸についていたと思しき人名が横文字で記された木札……衰弱した心身が潜在意識として死をとらえているのか、妙に澄み切った空間に通底和音のように響くうつろな音階が聞こえる幻想的な短篇。(16頁・★2個)
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「お富の貞操」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「お富の貞操」芥川 龍之介 本体価格:300円 [JANコード]4582628020326 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 明治元年五月十四日の昼過ぎ。翌日には官軍が彰義隊を攻撃すると立ち退きのおふれが出た上野界隈にて、降りしきる雨のもと人影もない街に忘れ物を取りにきたお富。暗い家の台所で出くわしたのは泥棒、よく見れば顔見知りの乞食、新公だった。お富の忘れものはお上さんから言いつかった三毛猫。その三毛猫をかたに取り、お富に体を迫る新公。全てを諦めたように帯を解くお富……意外な展開と結末は見事としか言いようのない逸品。(24頁・★3個)
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「点鬼簿」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「点鬼簿」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 「僕の母は狂人だった。」悲痛な一文で始まる自伝。「点鬼簿」とは死者の姓名を記した帳面のこと。生後すぐに養家に出された芥川が、その母親への冷めた思い、死に臨んだ折の複雑な心境を綴る。次にそこに加えるのは芥川が生まれる前に夭逝した姉の初子。「初ちゃん」と呼ばれ姉弟の中で最も賢かったらしいこの姉に、芥川は「或る親しみ」を感じる。そして二十八の時にインフルエンザで亡くなった父……物故した三人の肉親を描く。(16頁・★2個)
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「大道寺信輔の半生」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「大道寺信輔の半生」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 江戸伝来の下町よりも寂れてすたれた本所。自らの生地に向ける思い、わずかに残る見すぼらしく限定的な自然に対する愛着をはじめ、母乳で育てられなかったために愛憎こもごもの牛乳について、憎むべき貧困、あるいは学校、本、友だち……自伝的要素をちりばめながら、自らの文学的感性を形作った環境や出来事を語る、芥川文学を知る上で重要な一篇。(32頁・★4個)
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「子供の病気」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「子供の病気」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 大正十二年、芥川三十二歳の時の小品。乳飲み児の次男・多加志が腸炎で入院せざるを得ない状況に狼狽する芥川。そんな状況にもかかわらず突然やってきて借金を申し込む厚顔無恥な青年。不安で何にも手がつかないなか、雑誌に掲載する小説の締切に追われる物書きとしての性。入院当日にあってもひっきりなしに訪れる来客。吹っかけられる文学論を虚に聞き流す芥川……子を思うふつうの父親としての芥川像を垣間見る作品。(16頁・★2個)
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「舞踏会」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「舞踏会」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 歴代、数々の教科書にも採択され、芥川の短篇の中でも最もポピュラーなもののうちのひとつ。文明開化の響きが残る明治十九年、鹿鳴館で催された舞踏会の情景を描く。父に連れられて初めての舞踏会に臨む明子。本人の不安をよそに、日本の少女の美を遺憾なく具えた彼女の姿は衆目を集めた。その明子に踊りの相手を名乗り出た仏蘭西の海軍将校。華やかな情景の中にあって文明の刹那的な繁栄とその後ろにある翳りをも描き出した名篇。(16頁・★2個)
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「枯野抄」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「枯野抄」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 芥川が師と仰ぐ夏目漱石の没後二年目に発表された作。大阪は御堂前、花屋仁左衛門の裏座敷で迎えた松尾芭蕉の最期を看取る弟子たちの様子、病床での俳聖の最期の姿、あるいは臨終を告げる医師・木節の内心をリアルに描く。特に芭蕉をめぐる弟子たちの複雑な思い、死に水をとる瞬間の各々の心理を微分し、分析しながら描き分ける、その筆致が見事。同時に生と死の実相を冷徹に観察する作家としての眼に、根源的な不安の相を見もする。(20頁・★2.5個)
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「ひょっとこ」芥川龍之介
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「ひょっとこ」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 東京帝大在学中の作。隅田川に浮かぶ花見船の上で衆目が集まるなか、ひょっとこの面をつけ馬鹿踊を踊っている最中に脳溢血で死んだ男の話。男は親父の代からの日本橋の絵具屋主人。酔うと気が大きくなり馬鹿踊をする癖がある。男の癖はそれだけでなく、悪気がないにもかかわらず、ふと嘘をついてしまう。嘘が嘘に重なり、どれが本当の自分かわからなくなってしまう始末。そんな男の最期を描き、人間の虚実皮膜の喜悲劇を喝破した快作。(16頁・★2個)
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「老年」芥川龍之介
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「老年」芥川 龍之介 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 南木佳士・選 芥川龍之介短篇ベスト10 紹介作品 「羅生門」の半年前に書かれた実質の処女作。二十二歳とは思えない老成した筆致に注目。場所は隅田川沿いの料理屋。雪のなか一中節(浄瑠璃の一種)の例会に集まる老人たち。料理屋の隠居、房さんは十五の歳から茶屋酒の味をおぼえ、二十五で若大夫と心中沙汰を起こした名うての遊び人だが、今はそんな過去を見る影もない。ところが……新時代の到来に逆行する江戸趣味溢れる空間に、年老いてゆく人間の悲しみを描く芥川らしい一篇。(12頁・★1.5個)
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「落穂拾い」小山清
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「落穂拾い」小山清 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」 荒川洋治・選《初めての世界》紹介作品 ポケットアンソロジースターターキット 荒川洋治・選『初めての世界』収録作品 自らを作家と認ずるがいまだ単行本一冊も出すに至らぬ、どこか寂しげな中年作家が、自炊しながらひとり住んでいる街、武蔵野市の片隅で出会う人びと。終戦後出稼ぎに行った夕張炭鉱でともに働いたF君の思い出。特に駅の近くで健気にひとりで古本屋を営む娘との淡くも温かな交流が心に残る。戦後七年が経ち、自らを励ましながら自分の道を歩み始める作家の、願望をも含めたさりげない筆致がえも言われぬ味わいを醸す短篇小説。(24頁・★3個)
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「しんとく問答(上)」 後藤明生
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ポケットアンソロジー 作品リフィル 「しんとく問答(上)」 後藤明生 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」松崎元子・選 娘が選ぶ父の短篇ベスト5 後藤明生 紹介作品 近畿大学文学部に教授として招聘され大阪に移住した著者が、地図を片手に大阪の街を探索する。目的地は八尾市高安の山畑(やまたけ)村。そこには謡曲の『弱法師』や説教節『しんとく丸』に描かれた伝承上の人物、俊徳丸が没したとされる鏡塚がある。地図とガイドブックを頼りに迷いながら鏡塚に向かう様や、そこでの出来事が、あみだくじのごとく語られる。大阪という未知の土地への尽きせぬ興味、探索する楽しみに満ちた一篇。(40頁・★5個)
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「しんとく問答(下)」 後藤明生
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「しんとく問答(下)」 後藤明生 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 「アンソロジスト 2022年 春 創刊号」松崎元子・選 娘が選ぶ父の短篇ベスト5 後藤明生 紹介作品 近畿大学文学部に教授として招聘され大阪に移住した著者が、地図を片手に大阪の街を探索する。目的地は八尾市高安の山畑(やまたけ)村。そこには謡曲の『弱法師』や説教節『しんとく丸』に描かれた伝承上の人物、俊徳丸が没したとされる鏡塚がある。地図とガイドブックを頼りに迷いながら鏡塚に向かう様や、そこでの出来事が、あみだくじのごとく語られる。大阪という未知の土地への尽きせぬ興味、探索する楽しみに満ちた一篇。(20頁・★2.5個)