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田畑書店公式SHOP
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季刊 アンソロジスト 2022年 夏季号
¥1,100
A5変型判 76ページ 価格 1,000円+税 ISBN 139784803804010 CコードC0491 発売日2022年8月13日 【紹介】 田畑書店「ポケットアンソロジー」シリーズと連動する季刊誌の第二弾! 短篇小説を既存の読み方から解き放ち、新しい読み方を提案する「文化を読み換えるカルティベイト・マガジン」。 今回クローズアップするのは太宰治の短篇。いつ読んでも新しい太宰の短篇の魅力に迫ります。 また、書評家・スケザネ氏責任編集の頁では「理系と文系の狭間に生まれる文学」を、いま旬の書き手にさまざまな方向から語っていただきます。 【目次】 《特集》太宰治の短篇 木村綾子/大学生の仲間たち 人生に効く井伏鱒二 増田みず子 短篇小説で一服 山本アマネ 小説:息子の長靴 太田靖久 エッセイ:牛肉とエリンギの炒め物 水野葵以 くうねるあむ 梅﨑実奈 新アンソロジーの提案(仮) 永山裕美 書評『ポルトレ 普及版』 柳沼雄太 BLACKOUT POETRY 海の襟袖(エリザベト怜美+モノ・ホーミー) 《スケザネ図書室》理系と文系の狭間に生まれる文学 森田真生 インタビュー「文学と数学の交点」 隠岐さや香 文芸が科学と文学とに分かたれる前に 山本貴光 言葉で世界を組み立てる 川添愛 科学と文学について自分なりに考えてみた 榛葉豊 寺田寅彦「比較言語学における統計的研究法の可能性について」 松村由利子 科学者のやわらかな心 岡田基生 修羅のなぎさ――宮沢賢治のイギリス海岸 小津夜景 存在のためのふわふわした組曲 片上長閑 俳句の時間「石井露月」
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たびたびの旅
¥1,980
ポケットスタンダード たびたびの旅 安西 水丸(著/文) 文庫判上製 縦156mm 横113mm 256ページ 定価 1,800円+税 ISBN 9784803804003 Cコード C0195 2022年7月18日発売 【紹介】 仙台からオスロへ、小樽からハイデルベルグへ……根っからの自由人である著者が、仕事で、あるいは気の向くままに訪れた旅先の様子を、洒脱な文章とイラストで書き留めた〈旅絵日記〉。第二部では東京の酒場をめぐりながら、出会った人びと、起こった事柄を記す。コロナ禍で旅と酒場めぐりが叶わなくなったいま、著者の眼差しに重ねて仮想の旅に誘う一冊! 文庫判ハードカバー 256ページ(カラー挿画31点) 【著者プロフィール】 安西水丸(あんざい みずまる) 1942年7月東京生まれ。日本大学芸術学部美術学科造形卒業。電通、ADAC(NYのデザイン・スタジオ)、平凡社でADを経てフリーのイラストレーターとなる。朝日広告賞、毎日広告賞、紀文おいしいイラスト展特選、1987年日本グラフィック展年間作家優秀賞、キネマ旬報読者賞受賞。東京イラストレーターズソサエティ、日本グラフィックデザイン協会、東京タイポディレクターズクラブ、日本文芸家協会、日本ペンクラブ、各会員。著書に『アマリリス』『手のひらのトークン』『荒れた海辺』『丘の上』『アトランタの案山子・アラバマのワニ』『スケッチブックの一人旅』『青山へかえる夜』などがある。2014年、歿。 目次 第1章 遠くの町に来ています 仙台より オスロより 博多より コペンハーゲンより 松本より 小樽より ハイデルベルクより 長崎より 青函連絡船の中より ペルーより 早春のオリーブ園より 第2章 夜の街に出てみました 石段下のバーで〔代官山〕 芝居のあとの、いい酒、いい肴〔下北沢〕 美女を並べて寿司を喰う〔青山三丁目〕 トゥデイズ・フィッシュに極上の日本酒〔南青山五丁目〕 歌は世に連れ、世は歌に連れ〔六本木〕 酒がよく、メニューを見る楽しさがある〔四谷〕 女用心棒Kと飲む夜〔渋谷二丁目〕 深夜の程よいざわめきのなかで〔南青山〕 銀座の路地と俳人のママ〔銀座一丁目〕 青山のスノー・ポイント〔青山三丁目〕 川を渡ってコーヒーを飲みに行く〔市川〕 究極の夜の果て〔千駄ヶ谷〕 雨の音と酒〔日比谷〕 ガード下で偲ぶ秋刀魚の味〔日比谷〕 深夜のカレー・パーティ〔麹町〕 ワサビと小鰭が好きだ〔青山〕 学生街での正統的飲み方〔江古田〕 白い花園の夜〔渋谷〕 ひどい目に遭った蟹座でAB型の男〔銀座〕 ふぐは本当においしいか〔池尻〕 第3章 旅のスケッチを描きました ベンガラの町〔吹屋〕 雪の町、運河の町〔小樽〕 温泉と東南アジアの民芸〔河津〕 フクラギを食べに行く〔富山・氷見〕 東京から二時間のバリ島気分〔千倉〕 麦田町の隠れ味〔横浜〕 北アルプスと清流とワサビ〔安曇野〕 法善寺横丁を抜けて〔大阪〕 ハコフグを食べに西端の島へ〔五島列島〕 梁山泊に行く〔京都〕 奥伊豆の温泉郷〔伊豆大沢〕 水沢うどんと街道を歩く〔渋川〕 あとがき
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本を書く
¥1,540
2022年2月7日発売 ポケットスタンダード アニー・ディラード(著) 柳沢 由実子(翻訳) 文庫判 上製 縦156mm 横113mm 厚さ mm 重さ g ページ 価格 1,540円(税込) ISBN978-4-8038-0392-1 コードC0198 紹介 本書には「『ものを書く』ことの隠喩でもあるかのように、ときにはなんでもない、あるときには非凡な人たちの話が、小さい叙事詩のように織り込まれる」(須賀敦子/朝日新聞書評より)。 『ティンカー・クリークのほとりで』でピュリッツァー賞を受賞したネイチャー・ライティングの第一人者、アメリカの女性作家が、創作生活のすべてを象徴的な文体で記した、ものを書こうとしているすべての人に贈るバイブル。 巻末には訳者による旧版のあとがきに加え、「ポケットスタンダート版 刊行に寄せて」を収録。 また解説に鶴ケ谷真一氏「本を造る――解説にかえて」、早坂大輔氏(書店「BOOKNERD」店主)書下ろしエッセイ「書くことの真理」を収録する。 目次 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 索引 訳者あとがき(単行本版)柳沢由美子 ポケットスタンダート版 刊行に寄せて 柳沢由美子 本を造る――解説にかえて 鶴ケ谷真一 【巻末エッセイ】書くことの真理 早坂大輔 著者プロフィール アニー・ディラード[Annie Dillard] 1945年、アメリカ、ペンシルヴェニア州ピッツバーグに生まれる。63年、ヴァージニア州のホリンズ・コレッジ英文科に入学。大学2年のとき、教授のリチャード・ディラードと結婚。88年に、H.D.ソローの研究家であるロバート・リチャードソンと三度目の結婚。作品には本書の他に、少女時代の回想を語った[An American Childhood](1987、邦訳『アメリカン・チャイルドフッド』パピルス)、ピュリッツァー賞を受賞した[Pilgrimat Tinker Creck](1974,邦訳『ティンカー・クリークのほとりで』めるくまーる社)、[Teaching a Stone to Talk](1982年、邦訳『石に話すことを教える』めるくまーる社)、他。自然に対する深い感覚と精緻なスタイルを備えたその作品は、ヨーロッパ各国にも翻訳され、きわめて高い評価を得ている。 柳沢(ヤンソン)由実子[やなぎさわ ゆみこ] 1943年、岩手県に生まれる。上智大学文学部英文科卒業。ストックホルム大学スウェーデン語科修了。女性文学の翻訳、内外の女性事情についての評論、講演がおもな活動。著書には、ヤンソン由実子名義で、『男が変わる──スウェーデン男女平等の現実』(1987、有斐閣)、『女たちのフロンティア』(1993、フレーベル館)、『シリーズ・変貌する家族──家族に侵入する社会』(1992、共著、岩波書店)など。訳書には、アニー・ディラード『アメリカン・チャイルドフッド』(1992、パピルス)、アリス・ウォーカー『カラー・パープル』(1985、集英社)、同『喜びの秘密』(1995、集英社)、アウンサンスーチー『自由』(1991、集英社)、その他、児童文学、推理小説などもある。
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「卵焼きかわいそう」小島なお《短歌アンソロジー あこがれ》
¥330
《短歌アンソロジーあこがれ》 「卵焼きかわいそう」小島なお 私にとってあこがれの対象は案外みじかなところにある。年末の電車内で聞こえた会話の「明太子、送っておいたから」という台詞や、壊れた掃除機を解体して部品ひとつから組み立てた義弟や、風呂場の電球カバーが突然勢よく外れたことを心霊現象として語る友人。遠いところにあるものは、遠すぎて感想が浮かばない。それよりも何でもない感じでそのへんに転がっているものの方が、じつは何でもなくて、かなわないな、と思う。(著者より)(20頁・★2.5個)
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「笑えば翼ごと動く」初谷むい《短歌アンソロジー あこがれ》
¥330
《短歌アンソロジーあこがれ》 「笑えば翼ごと動く」初谷むい あなたはある日、天使になった。なんてことないけれど、「ぼく」にとって大切だった「あなた」とのゆるくしあわせな日々は、「あなた」の天使化によってあっけなく終わる。「あなた」が遠くに行ってしまう予感のなかで残される「ぼく」はなにを思うのか。だれかを愛すること、そして失うことについて短歌という短い詩の中で考え二〇首連作です。「ゆるい約束を重ねてゆるい約束をほどいて天使は溶けるみたいに笑う」。(著者より)(12頁・★1.5個)
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「夢と胸筋」東直子《短歌アンソロジー あこがれ》
¥330
《短歌アンソロジーあこがれ》 「夢と胸筋」東直子 ドキュメンタリーの映像を観るのがとても好きです。劇的なものも、極く日常的なものも、どんなものでも興味深いです。こんなところで、こんな人が、こんなことを思って、こんなことをしている。そんな面白さを、短歌連作で群像劇のように構成できたらと思いながら編みました。どこかの、誰かの、ある一瞬。長い時間の果てであり、遠い未来への起点でもあり。生きている偶然と奇跡を思い、浮遊する言葉をただ一つの身体で模索しました。(著者より)(20頁・★2.5個)
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「黒百合」平岡直子《短歌アンソロジー あこがれ》
¥330
《短歌アンソロジーあこがれ》 「黒百合」平岡直子 「あこがれ」というテーマを知らされたときにすこし息を呑むような気持ちになったのは、わたしにとって短歌をつくること自体がその感情と不可分だからだ。そのせいか、今回の制作はかえってわたしのなかにひとりの人間の具体的なフォルムを浮き上がらせた。憧れとは、他人の歌に対する「どうしてこんな歌が存在するんだろう」という驚愕であり、ときに他人に対する「どうしてこんな人間が存在するんだろう」という驚愕なのだと思う。(著者より)(12頁・★1.5個)
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「宝石」山崎聡子《短歌アンソロジー あこがれ》
¥330
《短歌アンソロジーあこがれ》 「宝石」山崎聡子 子供のころ、絵本の『幸福の王子』の挿絵の、すべてを分け与えてしまって灰色になった王子の像が怖かった。眼窩は黒っぽく落ちくぼんで、その足元には息も絶え絶えのツバメがうっとりと目を閉じた姿で横たわっている。「王子とツバメは永遠に幸せになりました」と結ばれていたけれど、私はそれを疑うより前に、その永遠を自分が生涯あじわうことがないことの理不尽にほとんど焦燥していたのだ。(著者より)(12頁・★1.5個)
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「空っぽの花器」岡本真帆
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 岡本真帆「空っぽの花器」 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 繋いでいた手を放して、私は一人になった。町のラーメン屋。もらった小説。一緒に観に行った映画。傘がなくて笑いながら走った土砂降りの道。思い出は日常の至るところに潜んでいて、その欠片に触れるたび、本当にこれでよかったんだろうかと不安が押し寄せる。だけど選んだことを間違いじゃなかったと思いたい。思えるように生きていきたい。この30首連作は、私のこれまでとこれからを見つめて編んだものです。(24頁・★3個)
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「牛肉とエリンギの炒め物」 水野葵以
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「牛肉とエリンギの炒め物」 水野葵以 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 大好きだったおばあちゃんの死、葬式、そしてそれから……。喪失感と慌ただしい日々を、柔らかな感性と言葉で包むように詠んだ連作短歌。「眠っているだけにも見えたそうじゃないことはみんなの顔でわかった」「感情の到着を待つ泣きたくも泣きたくなくもない炉の前で」生前のおばあちゃんとの思い出を綴った著者初のエッセイ「牛肉とエリンギの炒め物」併録。(28頁・★3.5個)
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「無害老人計画」上坂あゆ美
¥330
SOLD OUT
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「無害老人計画」 上坂あゆ美 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 認知症を患い、周囲に対して攻撃的になる祖父を目の当たりにし将来を案ずる〈わたし〉。「祖父のあの電話以来、自分が認知症になったら、わたしはいつの時代の自分を輝かしいものとして拠り所にするのだろうか、ということをよく考える。」こうして齢三十歳にしてわたしの「無害老人計画」はスタートした──第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』で大きな注目を集めた著者によるエッセイと、第一歌集発表後初の連作短歌!(28頁・★3.5個)
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「宮崎智之セレクト 中原中也名詩選」中原中也
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「宮崎智之セレクト 中原中也名詩選」 中原中也 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 中原中也が生前唯一、刊行した自身の詩集『山羊の歌』と没後刊行した『在りし日の歌』、さらに未刊詩篇を含めた詩の中から八篇を選んで収録した。極度に均衡のとれた詩句、節と節との間に生じている緊張感を堪能してほしい。中原中也は、深い悲しみ、葛藤、混沌、優しさの中で詩作した。自己統一を失った詩人が、ふたたび世界をあるがままに取り戻そうとして歌った詩がここにある。(48頁・★6個)
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「露月二百句(片上長閑 撰)」 石井露月
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「露月二百句(片上長閑 撰)」 石井露月 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 正岡子規門下に、石井露月という俳人がいた。彼は実力に於いて碧梧桐、虛子、鳴雪らに肩を並べると言われながら、俳壇の中央に身を置くことなく、開業医として郷里秋田に留まり続けた。その句は余戯の域を超えているにもかかわらずあまりに顧みられていない。所謂俳壇史の陰に埋もれた存在として黙殺されがちな、俳人露月。本書では、彼の遺した句から注目すべき作を撰し、季別に配した。(48頁・★6個)
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「子規百句(片上長閑・撰)」正岡子規
¥330
SOLD OUT
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「子規百句(片上長閑・撰)」正岡子規 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 子規の名はよく知られているが、その俳句の全容や、幅の広さが語り尽くされたとは言い難い。彼以降の俳人たちの語るところや文学史により、我々は子規、あるいは子規の句から却って遠ざかっていると言えるのではないか。写生による表現を提唱したと言われがちな、そして現実に写生を作句に活かそうとした子規の句は、実際には非常に豊かな様相を見せてくれる。本書では子規の注目すべき百句を撰し、季順、時系列順に配置した。(40頁・★5個)
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「息子の長靴」 太田靖久
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「息子の長靴」 太田靖久 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 息子が生まれた日にアメリカに単身赴任した「私」は、世界中に蔓延した未知なる感染症も影響し、なかなか後任が決まらずに二年後にようやく帰国することができた。赴任地で学習した子育てのハウツウも無為のまま更新され、初めて対面するナマの息子。妻の助言を受けつつ、父親は初めて長靴を履いた息子と二人きりで近くの神社まで散歩に行くことに。読後、玄関に置かれた小さな長靴の緑色が鮮やかにまぶたに残る好短篇。(12頁・★1.5個)
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「父の自転車と母の赤い車」太田靖久
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「父の自転車と母の赤い車」 太田靖久 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 〈私〉の父は運転免許がない。かわりにどこに行くにも自転車。その父の愛車に乗せてもらって出かけるのが、私は大好きだった。一方、母は真っ赤な自動車を乗り回して生命保険の営業に……「ポケットアンソロジー」のスタートにあたっての編集部の依頼に応え、「〈乗り物〉をテーマに編んだアンソロジーに、もし自分の短篇を加えるとすれば……」という想定のもと、「季刊 アンソロジスト」創刊号に書き下ろした、味のある短篇小説。(12頁・★1.5個)
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「杯」森鴎外
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「杯」 森鴎外 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 温泉宿から坂の小道を上がったところにある清冽な泉を、ゆかたを着た七人の美しい娘たちが小鳥の囀りのような声を上げながら訪れる。そしてそれぞれの袖からお揃いの銀の杯を取り出し、泉の水を飲んでいる。その後ろから彼女たちよりやや歳上の、洋服を着た西洋人か混血の女の子がきた。彼女も杯を取り出して泉の水を飲もうとするが……日本と西洋の間に横たわる溝と架け橋を象徴し、洋行から戻った作家の静かな決意を感じさせる一篇。(12頁・★1.5個)
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「洋灯はくらいか明るいか」室生犀星
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「洋灯はくらいか明るいか」室生犀星 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 風呂敷の中に書きためた詩と原稿用紙のみを携えて初め東京を訪れた詩人が、東京の玄関・新橋駅で迎えてくれた美術学校に通う三人の同郷の友人に案内されて大都会を歩いた一日を回想するエッセイ。初めて乗る電車。大きな建物と雑踏。一九一二年の東京の風景は詩人を膣目させ、緊張を強いる。〽洋灯はくらいか明るいか…ヴァイオリンの弾き語りでそう歌いながら小冊子を売り歩く芸術家くずれの歌声が全篇にかなしく響く。(12頁・★1.5個)
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「小さき者へ」有島武郎
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 「小さき者へ」 有島武郎 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) 母校、札幌農学校の英語教師として赴任した先で妻を結核で失った作家が、悲しみのなか残された三人の幼児たちに綴った励ましの言葉。自らの病を知って決して身近に子どもたちを寄せなかった母の強い意志と彼らへの愛。「私は自分の弱さに力を感じ始めた。私は仕事のできない所に仕事を見出した。……決して順風満帆とはいえない作家に大きな勇気と方向を示してくれた妻の死を語り、万人に贈る普遍的メッセージとなりえた名作。(24頁・★3個)
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「おじいさんのランプ」新美南吉
¥330
ポケットアンソロジー 作品リフィル 新美南吉「杯」 本体価格:300円 判型:文庫判・スクラム製本(綴じなし) かくれんぼをしていた東一君が倉の隅から持ってきたランプは、おじいさんの思い出の品だった。そのランプを見ておじいさんが話し出したのは、ちょうど日露戦争のじぶん、十三歳の巳之助(それがおじいさんの名前だった)という少年のことだった。みなしごだった巳之助は、隣村で見たランプに憧れて商いを始め、徐々に成功していくが、成人して一家を構えた巳之助は、ランプにとって替わる電灯に出会って……言わずと知れた児童文学の名作。(32頁・★4個)
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ブックジャケット 軸棒(15本入り)
¥330
ブックジャケットに付属しているステンレ ス軸棒(15本入り) です。
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谷崎潤一郎と中国
¥2,200
エキゾティシズムからノスタルジアへ! 〈中国〉を題材とした作品についての綿密な調査と精緻な読みによって、谷崎文学に底流する主調音を見事に説き明かした出色の論考。谷崎研究の第一人者千葉俊二早稲田大学名誉教授推薦! 目次 序章 谷崎潤一郎の中国旅行とエキゾティシズム 第一章 風景のなかの女 ──「 西湖の月をめぐって」── 一 「青磁色の女」と西湖の景観構造 二 〈青磁色の女〉 三 ミッション・スクールの女学生 第二章 谷崎潤一郎が中国へ投射したもの ──「 天鵞絨の夢を視座にして」── 一 ハードン夫婦 二 佐藤春夫「指紋」とボードレール『人工楽園』 三 ゴーチエ「クラリモンド」 第三章 「風流」な文学者 ──「蘇東坡(三幕)─或は「湖上の詩人」」論── 一 『西湖佳話』「六橋才迹」との比較 二 検閲の視点から読む「蘇東坡」 三 佐藤春夫の 「風流」観と「鮫人」を手掛りとして 四 「風流」を乗り越える試み 第四章 西洋芸術と東洋芸術との統合の試み ──「 鮫人に」おける〈浅草オペラ〉── 一 「鮫人」と「真夏の夜の恋」 二 林真珠の造形 ──原信子との関わりを中心に 三 北斗劇団をめぐって 第五章 十年一覚揚州夢 ──「 鶴唳」論── 一 佐藤春夫と小田原 二 「梅崖荘」「鎖瀾閣」と西湖 三 鶴と揚州 第六章 谷崎潤一郎と田漢について ── 戯曲を中心に── 一 「虎を獲る夜」と「昼飯の前」について 二 「湖上的悲劇」をめぐって 第七章 女と蛇 ──谷崎潤一郎「蛇性の婬」田漢「白蛇伝」をめぐって── 一 谷崎潤一郎「蛇性の婬」 二 女と蛇 三 田漢「白蛇伝」 第八章 エキゾティシズムからノスタルジアへ ── 二度目の中国旅行をめぐって── あとがき 初出一覧 【著者】 林茜茜(リン センセン/LIN Qianqian) 1985年、中国浙江省生まれ。四川外国語大学日本語学院、 北京外国語大学日本学研究センター修士課程、 早稲田大学大学院教育学研究科博士課程を経て、早稲田大学で博士(学術)を取得。専攻は日本近代文学、比較文学。 現在、中国上海にある同済大学外国語学院に勤めている。 論文に「江戸川乱歩による中国探偵小説の紹介――ロバート・ ファン・ヒューリック (高羅佩) をめぐって」 ほかがある。
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精進百撰
¥3,080
心筋梗塞で倒れ心臓の3分の2を壊死し失った著者。病身に適した食生活を求めたとき、蘇ったのは少年時代禅寺の侍者として触れた精進料理の世界であった…。 本書は水上勉がすべての料理を手がけ、器は北御牧在住の陶芸家角りわ子が制作した。 今回全写真をリフレッシュし、料理とそれを盛る器の魅力がいっそう楽しめるようになりました。 誰でも何歳からでもここから始められる、精進料理入門の名著復刊。
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浮寝鳥
¥1,980
四六判 縦190mm 横130mm 厚さ18mm 重さ 305g 208ページ 並製 価格 1,800円+税 ISBN978-4-8038-0404-1 紹介 渋谷ホームレス殺人事件から丸2年。 いま問いかける〈普通の人々〉の実相!気がついたらいつのまにかホームレスになっていた66歳の十和子さん。その十和子さんをなんとか助けようと孤軍奮闘する公務員の永山くん――日ごと酷さを増す社会のひずみに陥る〈普通の人々〉の実相を、元公務員作家が巧みなフィクションで描く! 著者プロフィール 春日いと(かすが いと) 埼玉県浦和市に生まれる。父親の転勤に伴い、千葉県、東京都、愛知県などで育つ。地方公務員となり、在職中に放送大学大学院修士課程修了。定年退職後、朝日カルチャーセンター立川教室にて「小説のレッスン」を受講する。